2016年1月2日土曜日

ボードゲームのメカニクス

ボードゲームのメカニクスという言葉を知っている人は多いだろうか。

ボードゲームのメカニクスとは、ルールや説明とよく勘違いしてしまいがちだが、駒の動かし方や、手番の処理の仕方等、ボードゲームを遊ぶ上での決められた手順と私は捉えています。
その手順がシンプルである程、メカニクスは優秀で尚且つ、そのメカニクスを使ってルールが明確に出来れば最高のボードゲームデザインと言えるのではないでしょうか。

例えば、手番がきたら手持ちのカードをプレイしなければいけないというメカニクスがあるとします。メカニクスとしては、カードをプレイすることだけがメカニクスであり、ルールに何枚までしか使えない等の記載がなければ、プレイヤーはメカニクスに乗っ取り1枚でも、3枚でもプレイしてもいいのです。
プレイヤーは選択の幅が拡がり、さらにカード同士の効果をコンボとして使える等、手番がきたらカードをプレイするというメカニクスだけで、様々な遊び方、戦術が思い付きます。

優れたメカニクスは遊び方を拡げる


私が作ったボードゲームでは、将棋の盤のようなマスに沿って駒を動かすというメカニスを使っています。
駒を動かすルールは、斜めに向かっての移動を禁止しているだけで、1手番に何マスまでしか進めないというルールはないので、プレイヤーは自分の考えで何マスでも進むことが出来ます。
慎重に1マスずつ進んだり、一気に何マスも進んだり、とても自由度が高くなっています。

プレイヤーに沢山の選択肢を与え、そこから最適な方法を模索していくのは、ボードゲームならではの楽しみかもしれません。テレビゲームの様に反射神経に頼らず、思考だけで選択していけるのも魅力ですね。


反射神経が必要なメカニクスはボードゲームではない?!


ボードゲームの魅力のひとつに、反射神経が必要がない点を挙げましたが、反射神経が必要となるメカニクスもあります。
例えば、場に置かれたカードや駒を同時にプレイヤー同士で取り合うというメカニクスは明らかに反射神経だけが必要となります。
アクション性の高いメカニクスは、思考一辺倒のボードゲームのアクセントにはなりますが、逆にサイコロを使いランダム性が高くなってしまい、ゲームが飽きてしまいやすくなるのと同じことが起こってしまうと考えています。

私は、ボードゲームにリピート性を求めています。何回も遊びたくなる要素に、反射神経はあまり相応しくないと考えます。
将棋や囲碁が、早い人順にどんどん駒を動かせるメカニクスなら、根強い人気を得て遊び続けられなかったのではないでしょうか。あくまで思考性を優先した結果が年配の方を中心とした幅広い層に浸透したと思います。


メカニクスでボードゲームの面白さが決まる⁈


メカニクスは、ルールやシステムとは違うという事は何となく理解して頂けたかなと思います。メカニクスの完成度=ボードゲームの完成度につながると私は考えています。

[オセロ]のメカニクスは、駒は必ず枠内に置かなければいけないということで、ルールとして、必ず駒同士を隣り合わせに置かなければならないというのがあります。
枠内に置くというメカニクスは視覚的に分かりやすく、あまりボードゲームをプレイしない人でも直感的に分かる優れたものです。
直感的に分かり易いことは、そのボードゲームの間口を広げるためにとても大事なことです。ルールはどうしても、そのボードゲームだけの押し付けがましいものに成りがちですが、メカニクスを押し付けがましいものにしてしまうと、誰も遊びたがらないのではないでしょうか。


まとめると、メカニクスとはボードゲームを遊ぶ上での決められた手順で、ルールや説明とは違う。優れたメカニクスは、プレイの幅を拡げる。という感じです。

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